ポジポジ病を止めるMT4のツールを探した記録

「ポジポジ病を止めるツールはないのか」。そう思って検索した方へ。

私も同じことを検索しました。そして、驚いたことにほとんど何も出てきませんでした。出てくるのは「ルールを決めましょう」「トレード日誌をつけましょう」という記事ばかりで、道具の話が見当たりません。

FXで負ける原因はメンタルだ、という話はいくらでも出てきます。ところが、そのメンタルをどう扱うかという道具の話になった途端、情報が消えます。

そこで、自分で探したときの記録をまとめておきます。

最初に立場を明かしておきます。私は、この分野のツールを1つ作って販売している人間です。ただ、この記事は自社製品を売るためというより、「探しても情報がなかった」という自分の体験から書いています。特定の製品名は出しません。当事者が他社の名前を並べると、どう書いても比較が歪むからです。かわりに、ご自身で探せるように、探し方のほうを書きます。

この記事では、負けた直後に、普段なら選ばない取引をしてしまう状態のことを「暴走モード」と呼びます。意志が弱いという話ではなく、誰にでも起きる一時的な状態、という意味で使っています。

探したものを、私なりに4段階に整理しました

いろいろ見て回って気づいたのは、この手のツールはできることのレベルが分かれるということです。値段より、まずここを理解したほうがいいと思います。

これは業界で決まっている区分ではなく、私が整理のために勝手に分けたものです。そのつもりで読んでください。

  • 段階①「通知する」 … 上限に達したらアラートを鳴らす、画面に表示する
    → ほぼ止まりません
  • 段階②「決済する」 … 上限に達したらポジションを全決済する
    → その1回は止まりますが、すぐ入り直せます
  • 段階③「新規建てを止める」 … 決済に加え、一定時間は新しいポジションを持てなくする
    → かなり止まります
  • 段階④「取引環境ごと閉じる」 … MT4自体を終了させ、再起動や設定変更といった抜け道も塞ぐ
    → 止まります

自分がどの段階を必要としているかで、選ぶものが変わります。

正直に言うと、「もう分かってるから通知だけでいい」という人は、たいてい①では止まりません。通知が出ている画面で「今日は特別」と思えてしまうのが、さきほどの暴走モードだからです。私はそれで何度も失敗しました。

段階①〜②:無料で試せるもの

まず、お金をかけずに試せる選択肢から。

MT4には、一括決済系の無料EAが個人のブログなどで多数配布されています。「MT4 一括決済 EA 無料」で検索すれば、いくつも見つかります。

できることは、ボタンひとつで全ポジションを決済すること。ものによっては「損益が指定額に達したら自動決済」まで対応しています。一方でできないのは、決済した後にすぐ新しいポジションを持ててしまう点です。取引を止める仕組みではありません。

これらは「決済作業を速くする道具」であって、「自分を止める道具」ではありません。ただ、まず段階②を試してみたい人には、ここから始めるのが合理的だと思います。無料で試せるものを飛ばして有料品を買う理由はありません。

なお、これらを紹介しているブログ記事は数多くありますが、私が見た限りすべて「便利な機能ツール」としての紹介で、ポジポジ病やリベンジトレードという悩みの文脈からは切り離されています。だから「ポジポジ病 ツール」で検索しても出てこない。ここが情報として繋がっていない部分です。

段階②〜③:国内で販売されているもの

日本のEA販売サイトにも、資金管理・自動決済系のツールがいくつかあります。金額指定の自動決済、時間指定の自動決済、自動損切り、トレイルといった機能が中心です。

探すときの注意点がひとつあります。この種のツールには「自動売買(EA)を運用している人向け」のものが多く含まれます。経済指標の発表時にEAを止める、証拠金維持率で止める、といった機能です。裁量トレーダー自身の行動を制御する設計ではありません。

商品説明を読むとき、それが「EAの稼働を止める道具」なのか「人間の手を止める道具」なのかを見分けてください。ここで向き不向きが大きく分かれます。

段階③:海外製を自分で探す方法

MetaTrader公式のマーケット(MQL5 Market)には、プロップファーム対策として作られたリスク管理ツールが複数あります。日本語の情報がほとんどないので、探し方を書いておきます。

探し方

  1. MQL5のマーケットで、MT4の「Utilities(ユーティリティ)」カテゴリを開く
  2. 検索欄に risk manager daily loss drawdown limit prop firm などを入れる
  3. 無料のものもあるので、まずそこから試す

製品説明で確認すること

  • 上限に達したとき、決済までなのか、新規建ても止めるのか(段階②か③か)
  • 止まる時間はどれくらいか(その日の終わりまでか、数時間か)
  • 日次だけか、週次・月次や、取引回数の上限もあるか

機能としてはかなり本格的なものがあります。特に「1日の注文回数の上限」を設定できるものは、ポジポジ病対策としてそのまま使えます。

一方で、日本人が使う際のハードルもあります。

  • すべて英語。設定項目もサポートも英語
  • 日本語の解説記事・レビューがほぼ存在しない
  • プロップファームのルールを守ることが主目的で作られているため、「感情で入ってしまう」という悩みへの言葉としては書かれていない

英語に抵抗がなく、機能で選びたい方には、有力な選択肢だと思います。

段階④:探した範囲では見つかりませんでした

ここが、探していて一番意外だったところです。

MQL5マーケットでリスク管理系の製品をいくつも読みましたが、「MT4そのものを終了させる」機能を持つものは、ひとつも見つかりませんでした。どれも「ポジションを決済し、新規建てを禁止する」までです。最も踏み込んだもので「全チャートを削除する」まで。

つまり、段階④に相当するツールは、少なくとも私が探した範囲では見つかりませんでした。

※私が見た範囲での話です。見落としがあるかもしれません。

自作するという選択肢について

MQL4が書ける方であれば、②と③は自作できます。日次の損失上限で決済を止める、といった処理は、EAの中で完結します。

ただし、④まで作ろうとすると難易度が跳ね上がります。取引環境そのものを閉じる、削除されたことを検知する、再起動後も状態を保つ。このあたりは、かなり踏み込んだ作りが必要になります。

そして何より、自分で作ったものは、自分で解除できてしまうという根本的な問題があります。その場の自分は、そのコードを書いた本人です。どこを直せば止まらなくなるか、誰よりもよく知っています。

私が作ったもの

段階④のツールが見つからなかったので、私は自分で作りました。ポジポジ病バスターといいます。MT4用です。

取引を始める前の冷静なうちに、次の4つの上限を決めて登録します。

どれかひとつに達した時点で、保有ポジションを決済し、MT4を終了します。そのまま翌朝5時まで、取引を再開できない状態が続きます。

相場は予測しません。売買シグナルも出しません。勝率が上がることも約束していません。変わるのは、負け方だけです。

向き不向きがはっきり出るので、そこは正直に書いておきます。

  • MT4を落とすため、同じMT4上で動いている他のEAやチャートも一緒に終了します。他のEAとの併用は想定しておらず、ポジポジ病バスターを入れるMT4は専用にしてもらう前提です
  • 数日から数週間ポジションを保有する、長期保有・スイング中心の方には向きません。上限に達すると、保有期間に関係なく決済されます
  • スマートフォンのMT4アプリが主戦場の方。アプリでの取引は監視の対象外です
  • Mac版のMT4、またはMT5をお使いの方。動作しません

仕様と動作条件は、こちらにすべて書いてあります。

▶ 動作環境と仕様
▶ よくあるご質問

結局どう選べばいいか

私の考えです。

  • まず無料の一括決済EAを試す。 それで止まるなら、お金を払う必要はありません
  • 決済だけでは足りず、新規建てを封じたいなら、MQL5マーケットを探す。英語が問題なければ、機能は十分なものがあります
  • MT4を開けること自体が問題だと感じているなら、段階④を探すことになります

段階が上がるほど不便になります。それは事実です。

ただ、便利さと引き換えに何を守りたいのかは、冷静な今のうちに決めておいたほうがいいと思います。

そうなってから決めることではないので。


※FXは元本が保証された金融商品ではなく、相場の変動により投資額を超える損失が生じる可能性があります。本商品はご自身が事前に決めた取引ルールの遵守を支援する補助ツールであり、相場分析や投資判断を代行するものではありません。損失を完全に防止するものでもありません。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いいたします。